独占欲強めな御曹司は、ウブな婚約者を新妻に所望する
「えっと、それは構わないんだけど、大輝さん? そもそもおいくつなんですか?」
姉から年下とは聞いていたけれど、年齢までは聞いていない。

「二十六歳」
サラリと返答する彼。
二十六歳って私と同い年なの⁉ なのに何、この落ち着きっぷり!

「そうそう、橙花ちゃんと同い年よね」
「ちょ、ちょっと待って……じゃあ煌生さんは……?」
私の質問に彼が目を見開く。

「橙花ちゃん、婚約者の年齢を知らないの⁉」
姉が信じられないと言わんばかりに、私を大きな目で凝視する。恐らく隣に座る彼も同じことを考えていたようだ。

「だって聞いたことがなかったし、あんまり考えなかったから。そんなこと関係ないと思っていたし……彼も私の年齢を知らないと思うけど」
ボソボソと言う私に彼がブハッと噴き出した。
「ハハッ。やっぱり兄貴が選んだ人なだけあるな。兄貴は紫さんと同い年の三十歳。兄貴は確実に橙花さんの年齢は知っていると思うけれどね」

三十歳なんだ。言われてみれば年相応な落ち着きがあるな、と思う。あの人のことをひとつ知ることができた。その事実がくすぐったいのはなぜだろう。

「話を脱線させてしまってごめんなさい。続けてください!」
ロングスカートの裾をさばき、スツールに座りなおして改めてふたりが並んで座っている様子を見つめる。美男美女でお似合いのふたりだと思う。
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