僅か30センチの恋
俯いたスズは顔をあげ
ただ一言こう言った。
涼美「寂しい。」
シンプルながらもそれがスズの
気持ち全部だった。
涼美「...ちゃんと、分かってる。
リトが忙しいの。
でも、最近、全然ベランダにも
出て来てくれないし。
そもそも、何でベランダでしか
私たちは会えないの?
リトは私と一緒にいなくても平気なの?」
ようやく、聖夜の怒りの理由が分かった。
気付かない内に俺はスズの事を
傷付けていた。
寂しい思いはさせないと誓ったのに
目の前の事に必死で
スズの気持ちを考えていなかった。