きみと1番目の恋

浅ましくない子供みたいな
純粋な素直な気持ちをぶつける
小学生のような気持ちになれる。

お酒が机に置かれると
郁人くんはグラスを突き出す。
私もグラスを突き出し
マスターもグラスを突き出す。

3人で乾杯したのは初めてだった。

1口ずつお酒を飲み
それぞれが短い息を吐き出した。

郁人「あれから、どう?」

間髪入れずに、郁人くんは
本題を切り出す。

翼「あれからって?」

郁人「恋人と、ちゃんと
話せたのかな?って
これでも心配してるんだよ。
あれから、翼さんのSOSは
めっきり届かないしさ。」

翼「ああ、うん。」

スマホ片手に笑みを浮かべる
彼に、話したい話は確かにある。
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