真の魔性の女は、色気がない
彼女が出て行った後の事務所の隅で、後藤さんと、数人の運転手達が、立ち話をしている。
そろそろ休憩時間だからだろう。
「相手聞きました?」
「ああ、中学からの同級生だって言ってたよ。消防士らしいよ。」
おおお、というどよめきが起きた。
なんでだ?
「まぁ、公務員なら、安泰だよなぁ。」
「さすがのミエちゃんも、子供が出来たら、結婚するしかないだろ。」
そんな事を話して、運転手達は、休憩に入っていった。