隣は何をする人ぞ~カクテルと、恋の手ほどきを~
好奇心むき出しの顔で純粋に尋ねてくるから、何か答えないわけにはいかない。

「いつからか……難しい質問だな。田舎から出てきた純粋そうな女の子が、どんどんきれいになっていく姿を見せつけられて、そのきれいな子が、俺のゴミ持って行ってくれるとかなんかめちゃくちゃ優しいし……気にならないほうがおかしいだろう」

たぶん彼女はそれで、だいたい今年の夏からだと認識しただろう。わざと曖昧に濁してしまった。
本当はゴミ出しで会ったあの朝ではなくて、もっとずっと前から気になっていた。
しかし、これは大人の事情というやつで、胸の内に閉まっておこう。

いつか俺がジジイになってもまだ隣にいてくれたら、その時は本当のことを告白しようと思う。
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