僕ら死神の仕事
プロローグ
「はじめまして、お嬢さん。今日は月が綺麗ですね。」

目の前の女は驚く。

僕の姿に驚いたのかそれともこの手にもつものに驚いたのかは知らない。

「貴方のことをお迎えにあがりました。」

そう言って精一杯腕に力を入れて

鎌を振り下ろす。














「お仕事終わりっと。」

「あ、増援いらなかったんじゃ…?」

誰もいない路地に2つの影。

そう。誰もいない。

「これで回収は終わったからやーっと帰れる。」

「俺が呼ばれた意味一切ないじゃん。


ゼロ。


まだ仕事溜まってるのに。」

ゼロと言うのは僕の名前。

誰が名付けたのか知らない。

興味もない。

それに…自分の名前は嫌いだ。

「あはは。残業頑張りなよー。タダでさえこの世界はブラック企業みたいなもんなんだから。」

そんなのを思わせないように僕は笑う。

「あはは…まぁ、こんな仕事誰もやろうと思わないですよ普通。」


「【魂を回収する仕事】なんて…ねえ?」
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