エスポワール~私と御曹司~
希「終わらないと思います。
だから、お兄ちゃんの事
よろしくお願いします。」
望「あんたも一緒の方が
あいつも喜ぶと思う。
それ、貸して。」
希「え?」
望「10分で終わらせるから。」
驚いた。御曹司はものすごい
スピードでキーボードを打つと
山積みになっていた資料を
右から左へと移動させる。
出来の悪い息子だとか。
かなりの自由人だとか。
本当は嘘なんじゃないかと思った。
少なくとも私の目には部下を
大切にするいい上司に見えるし
ほんの少し適当な所はあるけど
言っている事は正論で
仕事も出来て頭も良い。
さすが、御曹司!としか
言いようがない。
ーパタン
パソコンを閉じると
御曹司は笑顔を見せた。