一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
ぎゅっ…!!
(っ!)
強く抱き寄せられ、呼吸が止まった。
ふわりと香る彼の香水。三日会えなかっただけなのに、その全てが愛おしい。急に彼を感じて心が震える。
体がこわばって目を見開くと、耳元で彼の低い声が聞こえた。
「一年。」
「!」
「一年、美香の時間をちょうだい。…絶対、一年で結果を出して帰ってくる。」
ぽろっ…!
ついに堪えていた涙が溢れた。
彼のシャツにしがみつくと、背中に回された腕に力がこもった。
声が出ない代わりに何度も頷くと、樹さんは小さく髪にキスをして私に囁く。
「行ってきます。」
そっ、と私を撫でた彼は、ふわりと笑って私を見つめた。その瞳に迷いはない。
頑張れる。会えなくたって、大丈夫。
私はただ、彼の帰りを待つだけだ。
私は搭乗ゲートに向かう彼を、曇りない笑顔で見送ったのだった。
その背中は、いつまでも私の目に焼き付いて離れなかった。