一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~

**

ーーーー
ーーー



「あっ、美香!お疲れー!」


「唯…!お疲れ様。」


午後七時。勤務終わりのランコントルホテル。

同期の彼女が朗らかに笑う。


「今から瀬戸くんと一緒に、如月さんと飲み会しようって話が出てるんだけど、美香も来るよね?」


「えっ!ほんと?」


如月さんは、出会った頃から変わらずドラマや映画で主演を務め、日々忙しくしているようだ。

樹さんとの繋がりから親しくなった私たちは、たまにこうして瀬戸も交えて飲み会をしている。


…樹さんが日本を発って、一年が過ぎた。

彼が異動した先のホテルの噂は、職場でもニュースでも流れている。椿のいるニューヨークのホテルとも提携し、どうやら、うまく軌道にのっているようだ。

しかし、彼からの連絡はまだ一度もない。

結果を出すまで、っていつまで?

そんなことを考えたら終わりだ。ドツボにはまって、急に悲しくなる日が来る。

離れてから三ヶ月は、さすがに辛かった。

スイートルームを出て自宅に戻った私。彼と出会う前の暮らしに戻っただけなのに、あり得ないほどの孤独感が私を襲った。

現実だけではなく、心の奥底に住んでいた“彼”までもが私の元から引っ越してしまったらしい。心にぽっかり空いた穴が、樹さんの存在の大きさを物語っていた。


< 174 / 186 >

この作品をシェア

pagetop