一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
バタバタと各業務に散っていくスタッフ。そんな中、森久保さんが動揺したように樹さんに尋ねた。
「前日になってからのメニュー変更なんて、大丈夫なんですか?!牛のブランドは、加護社長がこだわって決めたメニューでは…」
「今から、俺が先方に出向いて謝罪する。…そこで直接、合意にこぎつける。」
「…!」
目を見開く森久保さん。ふっ、と振り返った樹さんは、凛とした声でその名を呼んだ。
「瀬戸。行くぞ。」
はっ、とした瀬戸は、素早く身支度を始める。
「馬場。肉の仕込みは、いつまでに届けば間に合う?」
「今日はランチもディナーもいつも通り同時進行なので、夕方までに間に合えば、何とか。」
馬場さんの言葉を聞いた樹さんは、腕時計にちらり、と目をやり、数秒黙り込んだ。
そして、すっ、と顔を上げて桐生さんへ声をかける。
「桐生、ジェット飛ばせるよね?近くの空港に連絡しとくから、肉、冷凍して運んできて。新しい見積もりは俺のパソコンに送ってね。移動中に確認するから。あと四時間でよろしく。」
「パワハラですか。」
「いや?信頼だよ。」