一途な御曹司と極あま初夜事情~クールな彼は独占欲の塊でした~
バタン!!
勢いよく閉められる扉。一瞬で視界から消えた彼に目を丸くする。
え、え?どういうこと?
なんで帰ったの?
「樹さん…!美香です…!開けてください!」
すると、ドア横のインターホンから彼の掠れた声が聞こえた。
『なんで、美香がここに…?』
なぜインターホン越しに会話してるんだ。
戸惑いながらも、私は彼に経緯を説明する。
「桐生さんから、樹さんが体調を崩したと聞いて、食材の差し入れを頼まれたんです。ちょうど、私は休日でしたし…」
『桐生に頼まれた…?』
私は、インターホンのカメラに向かって買い物袋を見せた。
すると、『はぁ…』と、小さく呼吸の音が聞こえる。私は、そんな彼に静かに尋ねた。
「あの…なんでドアを閉めたんですか?」
『まさか、美香が来てくれるなんて思ってなかったから、ちょっとびっくりして…。…あー、完全に油断してた。髪も寝癖ついてるし、着替えもしなきゃ…』
「そ、そんなに整えなくてもいいですよ…!気にしないでください!」
『ん…、ちょっと待ってて……今から部屋片付けるから…』
「だから…!!」
明らかに具合が悪そうな声。このままでは、本当に掃除をし始めかねない。
「………何か私に見られたら困るものでもあるんですか。」
『……!』
ガチャ。
ゆっくりと開いた扉。ぎこちなく視線を逸らした彼は、無言で私を中に通したのだった。