ワケあり同士による華麗なる政略結婚
『わかった。じゃあ頼んだぞ、澤村。』
「はい、お任せ下さい。」
素敵な2人が並ぶと、とても絵になる。
信頼し合っている関係。
そこには2人だけの世界があるように見えて、急に胸が苦しくなった。
「副社長、ネクタイが曲がっております。」
『あ?あぁ。』
そう言って彼に触れる彼女、そしてそれを受け入れる彼を見るのが苦しくなって目を逸らした。
どうしてこんなに胸が痛いの、、?
私が彼の妻だから?
本当にそれだけ、、、?
自分以外の女性が彼に触れて欲しくない。
安易に自分を触れさせないで欲しい。
そんな初めての感情が湧き上がってきて、咄嗟に手を伸ばし彼のスーツに触れる。
『、、どうした?』
そんな私の行動に彼の視線がこちらに向き、優しい表情を見せてくれる彼にホッとしてスーツから手を離した。