ワケあり同士による華麗なる政略結婚


『わかった。じゃあ頼んだぞ、澤村。』

「はい、お任せ下さい。」








素敵な2人が並ぶと、とても絵になる。

信頼し合っている関係。

そこには2人だけの世界があるように見えて、急に胸が苦しくなった。









「副社長、ネクタイが曲がっております。」

『あ?あぁ。』







そう言って彼に触れる彼女、そしてそれを受け入れる彼を見るのが苦しくなって目を逸らした。









どうしてこんなに胸が痛いの、、?

私が彼の妻だから?









本当にそれだけ、、、?



自分以外の女性が彼に触れて欲しくない。

安易に自分を触れさせないで欲しい。












そんな初めての感情が湧き上がってきて、咄嗟に手を伸ばし彼のスーツに触れる。




『、、どうした?』


そんな私の行動に彼の視線がこちらに向き、優しい表情を見せてくれる彼にホッとしてスーツから手を離した。



< 130 / 311 >

この作品をシェア

pagetop