ワケあり同士による華麗なる政略結婚
2人きりになった途端、またいつものような態度で結局この女も口だけかと思わずにはいられなかった。
だから少し脅してやろうと手を伸ばせば、その手から逃げると思いきや掴んできた。
それも必死な形相で。
そんな行動とは裏腹に手は震え、顔は真っ青になっているのが可笑しくてそれが何故だか可愛いとさえ思った。
今までにいないタイプで、誰もが目を奪われるような容姿を持ちながらも自信が無さげて、無自覚なのか天然なのか生まれ持ったその美貌を女の武器として使わない、、そんなタイプだ。
だから新鮮に映ったのかもしれない。
この女となら何故か生活出来る気がした。
家族でもそんな事一度も思えたことがないのに今日初めてまともに顔を合わせた相手にそんな事を思えたのか、正直わからなかった。