執事の君に愛されて……
明石さんは、私の耳元に唇を寄せた。
ゾワリ、と駆け巡る何かーーーー。


「萌ちゃんの甘い声っ。」


ーーーー!!

チュッ。
「やぁ!!あ、ダメっ!」

耳ーーーー。
耳を舐められてる。
何コレーーーー!?

初めてのことについに涙が溢れた。


ガンッ!!


不意に離れた温もりが、変わった。

明石さんは、床に座り込んでいた。


「てめー、何してんだよ!」

.
零が、尋常じゃないぐらい怒っていた。


「だから、甘い声が欲しかったんだよ。
やっぱり、萌ちゃんの声、可愛すぎてやばいわ!
甘くて美味しかったよ。
ありがとう!」


なっ!?
何あの人。
信じられないーーーー。

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