大人の恋は複雑で…素直になるのは難しい
「…そう言う理由ですか⁈」
この人には、智奈美しか目に入ってないんだと実感させられる。
「うん、でもね…最近のちなは、寂しそうなんだ」
幸せ絶頂じゃないの?
「どうしてですか?」
「菜生ちゃんが、遠慮して会ってくれないからだよ。昔も、よく遠慮してちなと遊ばなくなった事あったよね。その時と一緒なんだ」
遠慮なんかじゃなく、理由は、違うところにあったんだけど。
「遠慮しないで、会ってやってくれないかな?一人で新婚家庭にお邪魔するのが気まずいって思うなら、誰か呼ぶし」
「えっと、智奈美と会う時は健さんも一緒にって事ですか?」
「そうだけど」
あははは…健さんはそこまでして智奈美と一緒にいたいんだ。溺愛してるってひしひしと伝わってくる。
「遠慮してたわけじゃないんですが、いろいろあって忙しくて、それも落ち着いたので、今度、お家にお邪魔しますね」
こうして、一緒にいても昔のようにドキドキしない。
もう、健さんに未練はないって実感する。
「その時は、奏も誘うよ。4人でよく連んでたから、気心知れた同士の方が楽しいだろうしね」
奏の名前にチクっと胸が痛む。
健さんは、何も知らないんだ。
そうだよね…奏が言うはずないもん。