恋の始まりの物語
「──すぐ結婚は、無理。
─────お…付き合い、から、お…お願い、しま、す?」

私は恥ずかしくて俯きながら、返事を待つ湯川に、辿々しく答える。

はああぁ、と、深い溜め息が聞こえた。
あれ、…ダメ、だったかな…。

「───っ、良かったぁ…………」

言葉とともに、湯川の胸にぎゅっと抱き締められる。

耳に当たるのは、湯川の胸。

…うわぁ、壊れるんじゃないかと思うくらいの早さと強さで、心臓が脈打っている。

……ああ、湯川は本当に私のことを……

思わず、背中に腕を回して、湯川を抱き締めていた。

一瞬ビクッとしたけど、湯川も私を抱き締め返してくれる。

「…いずれ結婚、は、撤回しない。
なるべく早く、美玲がOKしてくれるように頑張るから、俺」

「うん、期待してる」

「美玲は俺の彼女?」

「…そうだよ」

「そうかぁ……やっとだ…」

何だこの甘ったるいやり取りは!
照れてしまって、顔が上げられない。

「美玲、抱かせて。
俺の彼女だって感じて、安心したい」

耳元で甘く囁く声に、もう私は逆らうことができない。

落ちてくる口づけを、私は首に腕を回して受け入れた──

fin
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