Ignition
「お前、悪い男だなあ。お金もらうのにうちの利益ばっかじゃん。神長の大好きなまきちゃんの依頼だよ? まきちゃんたちの総務部長に対する愛情アプリだよ? それをビジネスに利用しちゃうとかどうなの」

「何か問題でも?」
涼しい顔で聞き流し、神長はビールを口にする。

「ない! だって三人で企画から考えて、俺らだけの意見でそのまま形に出来て、しかもそれが仕事だなんてヤバくない? ねえねえ、今からみんなで作ろうよ。まきちゃんさ、仕事帰りだからPC持ってるよね?」

「あ、うん。一応は」

「見積書は帰りまでに作るとして、とりあえず先に細かいところまで詰めていきましょうか。一人既に酔ってるやつがいますが」

 この二人と話をしていると、物事が決まるのが本当に早い。どんな場所で何をしていようとも、思い立ったら即、なのだ。考え始めると同時に行動に移していく。そんなフットワークの軽さは仕事にもそのまま反映されている。

テーブルにスペースを作って、坂巻はそこにラップトップを置いた。
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