Ignition
■8
月曜日。会議明けの坂巻を捕まえて、オープンしたばかりのスープ専門店に辿りついたのは午後一時半過ぎだった。近隣オフィスのランチタイムが終わっていたせいなのか、まだあまり知られていないのか、二十席足らずの店内はがらんとしている。
真っ赤な椅子と木のテーブル。観葉植物のグリーンが打ち放しコンクリートの無機質さを和らげている。
「たまにはこういう店もいいですね」
「まあ、そうだな」
自分の存在がこの店で浮いているのを感じながら、新井は相槌を打った。
坂巻は不思議と、若い女性が集まりそうな店にもよく馴染む。これが経験の差なのだろう、洒落た内装というだけで気後れしている場合ではないと思い直し、メニューを開く。この店は今朝、桐谷から紹介されたばかりである。
根菜のスープとブレッド、サラダ付きのセットをオーダーし、新井は改めて坂巻に視線を向ける。
月曜日。会議明けの坂巻を捕まえて、オープンしたばかりのスープ専門店に辿りついたのは午後一時半過ぎだった。近隣オフィスのランチタイムが終わっていたせいなのか、まだあまり知られていないのか、二十席足らずの店内はがらんとしている。
真っ赤な椅子と木のテーブル。観葉植物のグリーンが打ち放しコンクリートの無機質さを和らげている。
「たまにはこういう店もいいですね」
「まあ、そうだな」
自分の存在がこの店で浮いているのを感じながら、新井は相槌を打った。
坂巻は不思議と、若い女性が集まりそうな店にもよく馴染む。これが経験の差なのだろう、洒落た内装というだけで気後れしている場合ではないと思い直し、メニューを開く。この店は今朝、桐谷から紹介されたばかりである。
根菜のスープとブレッド、サラダ付きのセットをオーダーし、新井は改めて坂巻に視線を向ける。