Ignition
「お前に言っておこうと思って今日ここに誘ったんだ。実は、桐谷と付き合うことになった」
さすがに驚いたのだろう。坂巻は細い目を見開いて顔を上げた。新井は構わずに続けた。
「とはいっても二十も年が離れているし、服にせよ流行りにせよ、さっぱり分からない。まずは、隣に並んでもおかしく見えないようにしていきたい。桐谷は坂巻のセンスを買っているみたいだから、俺は坂巻から色々教わりたいと思ってる」
「え……、と。はい」
「考えてみたら、相手を受け入れて好きになるための努力はしたことがあっても、自分が人から好かれるための努力というものをしたことがなかったんだよな。今度こそ愛想を尽かされないように、自分の在り方を見直したい」
付き合う前であれば、そういった自然さが魅力にもなるのだろうが、付き合うに至ればそれも、いい加減に扱われているように感じさせる材料になる。
さすがに驚いたのだろう。坂巻は細い目を見開いて顔を上げた。新井は構わずに続けた。
「とはいっても二十も年が離れているし、服にせよ流行りにせよ、さっぱり分からない。まずは、隣に並んでもおかしく見えないようにしていきたい。桐谷は坂巻のセンスを買っているみたいだから、俺は坂巻から色々教わりたいと思ってる」
「え……、と。はい」
「考えてみたら、相手を受け入れて好きになるための努力はしたことがあっても、自分が人から好かれるための努力というものをしたことがなかったんだよな。今度こそ愛想を尽かされないように、自分の在り方を見直したい」
付き合う前であれば、そういった自然さが魅力にもなるのだろうが、付き合うに至ればそれも、いい加減に扱われているように感じさせる材料になる。