私の好きな人
「失礼しました」
図書館の鍵を職員室に預けて、下駄箱へと足を急がす
「俺さ、まだここの学校の構造よく分かってなくてさ、今日も迷子になっちゃった。無駄に広いと思わない?」
「…さぁ、どうでしょう」
急ぐ私にみっちりと着いてくる小林くん
何を考えてるんだろう
謎……
そして今日も調子が狂う
ただ、はっきり分かることは
小林くんとは合わない
「ねぇなんで敬語?」
「……とくに意味は…」
「俺なにかしたかな…」
ボソッと呟いた言葉に私は敏感に反応する
…したでしょうよ
なにか私に言ったでしょうよ
まって…すでに忘れてるとか?
おいおい…最低じゃないか
いや、それならいっその事良い気もする
これ以上、小林くんには関わりたくない
もうこれ以上、なにも考えたくない
「お待ちしておりました、葵羽様」
……?!
校門の前に堂々と置かれる高級車
黒いスーツの男性が頭を下げ、……誰かを待っていたらしい…
「あおば?…様?」
私はチラッと小林くんを見る
「一緒に乗ってよ」
「はい?!」
「まぁまぁ、柊さんこの子も一緒にお願い」
「かしこまりました」
高級車のドアがゆっくりと開く
「ちょっと、小林くん?なに急に…これ」
拉致っすか?
「ついでだから、気にしないで」
「いやいやっ…いいよ私は」
「なんで?」
でた…なんで?返し
これ、返事に困るやつ…
てかさ、小林くんって何者?
この高級車に男性の丁寧な対応
あおばって…小林くんのこと?
………金持ち?
「彩月、早くしないと目立っちゃうよ」
「え…?」
気づいたら校門の周りには下校する生徒がチラチラ…
すでに目立ってんじゃん!!