愛があれば、それで
「俺、そんなこと言われたら止まんなくなるよ?」


「止めないで欲しいです。奥さんがいたって構わない。すきです、本田さん」


「……っ、ボタンは俺が外す」



彼女の手をボタンからどかして、ひとつずつ開けていく。



「すきです、大好きです」


「……っ、煽るなよ」



その潤んだ目で見てくるのは反則だ。
乱暴にボタンをはずして、ベッドに彼女を押し倒す。



「……あっ、んっ」



露わになった肌に俺の舌を転がせば、甘い声を出しながら身をよじらせる。

久しぶりの感覚だった。
結花とは妊娠がわかって以来してなかったから。

妊娠中でも安定期になったらしてもいいし、外でやられるくらいならしたいと結花に言われていたけど、お腹の子になにかあったらと思うとできなかった。

だから、こうして甘い声をきくなんて、久しぶりでその声が俺の感覚を麻痺させた。



「……やっべ、めっちゃいい」



彼女に俺刻んで、ベッドが軋む。
そのことが悪いことなんて、この瞬間考えられなかった。

あんなに誘われるのを恐れていたのに。
その機会を簡単につくってしまっことに、後悔もしていなかった。

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