王太子殿下の花嫁なんてお断りです!
「なに?」


気だるそうに、面倒くさそうに、リアムは振り返る。表情は怪訝そうだ。

少し怖いとも思うけれど、オリヴィアは量の拳を握った。


「人に認めてもらうのは難しいけど、でもひとりひとりと向き合って、関わり合ったら、きっと認めてくれる人がいる。そんな人が増えていけば、きっと何より強い力になる。私の好きな人は、そんな人です」


それを聞いていたリアムは溜め息を吐き出した。


「要するにそんな面倒に手を惜しまない暇人ってわけね。了解。はいはい、お幸せにー」

「いや、違!」


訂正しようとしたけれどリアムは片手を上げて去って行く上、アーノルドが肩を掴んでいた。


「はあ、本当に無茶ばっかりして。余計な仕事増やさないでくれる?」


アーノルドはとても怒っているらしかった。


「す、すみません……」


「大体、的に捕まるって何? それが困るから王宮の部屋の中に居てっていったのに。結局捕まって殺されかけてるし。心臓が止まるかと思った」


懇々と説教され、何も言い返すことが出来ない。


「でもまあ、 無事で良かった」


その言葉を聞いて、自然と頬が緩んだ。


「助けに来て下さってありがとうございます、アーノルド様」


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