一途な彼にとろとろに愛育されてます



それから数日後。よく晴れた日曜日の昼間、私は自室の姿見の前に立ち全身をチェックしていた。



鏡に映る自分は、前がざっくりとあいたタイトな黒のワンピース姿。

ほのかにラメが入ったショールを合わせ、髪もいつもよりきつめに巻いた。



結局ドレスから靴、バッグまで一式買ってしまった。

そこそこの値段でもまた使えばいいかと買ってしまったけれど、次使うことあるかな。周りで誰か結婚式とかあったっけ。

それに無難な黒にしてみたけど、地味だったかな。あ、でもネックレスつければ大丈夫か。



そんなことを考え、用意しておいたパールのネックレスに手を伸ばす。

すると、部屋のドアがコンコンとノックされた。



「ミネコ、支度できた?」



私がドアを開けるより先に顔をのぞかせた檜山は、ライトグレーのスリーピースのスーツにストライプ柄のシャツを合わせた、いつものスーツとは少し違うパーティ仕様だ。



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