あの時からずっと、君は俺の好きな人。
「え!?」

「水野くん顔もかっこいいし性格もかわいいし、いいと思ってたんだよね」

「や、やめて!」


考える前に口が勝手に動いた。私がはっとすると同時に、三上さんがニヤリと笑う。


「ほら、やっぱり水野くんのこと好きなんじゃん」

「う……」


私は頭を抱えて俯く。

「まあ、私が水野くんを取っちゃうよってのは冗談だから安心して。私はもっと年上が好みだからさ。同級生はちょっと子供っぽくて受け付けないし」


あっけらかんと三上さんが言う。この女、カマをかけやがったな、と私は内心毒づく。

しかし、三上さんが水野くんと恋人になる想像をした瞬間、ズキンと心がひどく傷んだ。心底嫌だと思った。

ーーそうか、これが好きってことなのか。私は異性に本気の恋をしたことがなかったので、気がつかなかったのだ。


「ーーうん。私好きみたいだ」


素直にそう言うと三上さんは何も言わずに穏やかに微笑んだ。

水野くんは今度は手持ち花火を持って新田くんを追いかけ回していた。危ないなあ。良い子は真似しないように。
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