あの時からずっと、君は俺の好きな人。
うちの学校は水泳部が全国大会に出場するレベルの強豪で、その水泳部に通年練習させるために数年前に屋内プールが建設された。

体育の授業のプールも5月から10月までと、一般的な高校よりも長い期間行うことになっている。

ーーまあ、私は先生には事情を話しプールの授業は遠慮しているが。

ちなみにクラスメイトには塩素アレルギーで入れないということにしている。美結は真実を知っているけど。

そして毎年6月の下旬に、校内水泳大会というクラス対抗リレーを屋内プールで行う行事があるのだ。

リレーに出るのは男子3名、女子3名。

水泳部を入れると勝負にならなくなってしまうので、水泳部を除いたメンバーをクラス内で選ばなくてはならない。

その大会の競技のタイムを測ったり、用具の準備をしたりする運営係が各クラスから男女1名ずつ選出される。

ーーって、美結が謝ってくるということは、まさか。


「もしかして……私が係になった?」

「ーーうん」


私の問いかけに恐る恐るというように頷く美結。私は頭を抱えた。
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