あの時からずっと、君は俺の好きな人。
2018年6月 一突きで、一思いに



鏡を眺めて前髪を直したり、メイクの崩れがないかチェックする美結(みゆ)。

休み時間の恒例行事。相変わらず手を抜いてないなあ、と私は感心するしかない。


「高校になれば彼氏出来ると思ったのにさあ。気が付けばもう高2の5月ですよ、まったく」


つけまつ毛をバサつかせながら美結が言う。

美結はメイクは濃いめだけどケバいは感じはなくて、毎日たいへん可愛らしく仕上げている。お見事です。

もう少しメイクが薄い方が男子からは好かれる気がするのだが、美結は男に媚びるためではなく、自分がやりたいから盛りメイクをするタイプだ。

そのあけすけっぷりが親しみやすい美結は、男女問わず「美結ちゃん」と呼ばれて親しまれている。そしてモテる。


「美結は理想が高いんでしょー。よく告られてるじゃないですか。その中から選んだらどうですか」


机に突っ伏すような姿勢をして、顔だけ前の席の美結に向けて、私は気だるく言う。
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