アーティスティックな男の子。
シャーッ
『ゆ…ってもうさすがに目の前にいた。どうー?』
「うん。似合ってる。…本当はキャラメル色にしようかと思ったんだ。」
『え?靴はキャラメル色だよ?』
「ううん、全身。」
全☆身☆
「全身だったら5点にしてた。」
『危ないねぇ。』
「次は?あとは生徒会長と悠と秋さんだけだよ。」
「僕は?」
「俺、1回副会長の私服見たことあるけど、あれはやばかったんだよね。藤嶺にしては本当に、ゆきと同じレベルでびっくりした。」
『…透先輩!仲間ですね!』
「…うん、そうだね。」
『そんな微妙な顔しないでください?先輩。』
「…さっさと終わらすか。」
『お、桃李先輩。』
よし、じゃあ着てみるか。
…って、これって…。
ソローリ。
『…あ、あの、桃李先輩。』
「なんだ。」
『…マジでこれですか。』
「まだ室内用の服、無かったから大丈夫だと思って。」
『で、でも…ねぇ?』
「お前の好きなシリーズだろ。」
『それは嬉しいんですけどね!』
「何グダグダ言ってんの。ほら、早く。」
シャーッ
『……ど、どう?似合ってる?』
「…い、意外ですね…。」
「ゆきちゃーん☆似合ってるね!!」
「ぎゃはははははwwwwwwwwwwww」
『秋?笑いすぎだから。』
桃李先輩が選んだ服、それは…
吐血アニマルシリーズの着ぐるみ風パジャマ。
クマの口から血が出てます。
「これはこれで可愛いからいいけど。」
『お許しが出た。これより本日からこのパジャマで過ごしたいと思います。』
大好きなシリーズ物だからとてつもなく嬉しいんですけど、
桃李先輩がね、持ってくるとは思わなかったんだ!!
嬉しいけどね!!とても!!
「じゃあ次。」
「大トリは嫌だな〜。」
「俺…も嫌です。」
『じゃあジャンケンでもすれば?』
「はい、じゃんけんぽん!!!」
「!?」
グーとチョキ。
「あ、負けた。」
『恥ずかしいやつだな、秋くんよ。』
そして、
「大人気ないですね。」
「言うようになったなあ、秋月。」
「…やっぱもうちょい早く出しとけば良かった…。」
「前が澄空さんだもんね。仕方ないよ。」
「そうですよね。」
『ハル君?早く服。』
「ハイハイ。」
『…なんか、色派手じゃない?』
「大丈夫。ゆきには似合うから。」
『そ?じゃあ着替えまーす。』
「靴は前に置いとくから。」
『はいよーっと。』

