君と見つける、恋の思い出
約束
「自己紹介がまだだったな。俺は櫻木翔太。好きなように呼んでくれ」
好きなように……
「……翔太おじさん」
「おじさんかあ。やっぱそう見えるかあ」
すると、おじさんは苦笑した。
なんなんだ、この人。
「行かないのか?」
「そうだね、行こう」
翔太おじさんは立ち上がると、俺の手を握った。
「一人で歩けるよ」
そう言って離れようとするけど、力が強くて無理だった。
「意地張るなよ。羨ましかったんだろ? こういう親子」
……だから、俺の心を勝手に読むな。
「お、大人しくなった。図星だったのか」
そしてからかうように、反対の手で俺の頭を揺らした。
「やめろよ」
すると、その手は優しく置かれた。
「浅賀さんが来てから、一気に子供らしくなったな」
「……悪いか」
「いやまさか。男はそれくらい生意気ほうがいい」
……意味わかんないし。
「男同士の話ってこれかよ」