君と見つける、恋の思い出
「いや、違うよ」
じゃあさっきまでのは、無駄話か。
俺、帰ればよかった。
「蓮くん、素直に言ってくれ。君は、ずっと寂しかった?」
……質問の意味がわからない。
これもまた、無駄話なのか?
いや、さっきより声が低いような気がする。
真剣な話らしい。
だけど、そんなこの質問に言葉で答えるのは気恥ずかしくて、俺は頷いた。
「叶花も一緒なんだ。なるべく病院に行ってはいるけど、俺も仕事がある。行けたとしても、少ししか一緒にいられない日は、よくある」
仕事が忙しくて、は母さんと同じだ。
あいつ、あんなふうにしてるから、そんなふうには思わなかったし、見えなかった。
「そこで蓮くん、もしよかったら叶花と仲良くしてもらえないかな? 仲良くできないなら、叶花のそばにいるだけでいい」
「なんで俺?」
あいつと仲良くしてくれる、そばにいてくれるやつ、絶対にいると思う。