君と見つける、恋の思い出


俺の発言に、結斗さんはもちろん、叶花も驚いた。


……俺だって、自分の行動が信じられない。



「本当は明日帰る予定だったんだ」



だけど、結斗さんは俺の質問に答えてくれた。



……理香子さんが倒れて連絡が来たから、早めた。



そうだ、理香子さんの親族で携帯を持ってるのは、結斗さんだけだ。



あのとき、叶花はうちにいたから、家にかけても誰も出なかった。


となると、当然携帯にかけるだろう。



「倒れたって聞いたときはひやっとしたけど、ただの疲労みたいだし、とりあえず一安心かな」



結斗さんは振り向いて苦笑した。



「……お母さんは働きすぎた。私のせい」



すると、俺が変えたはずの空気を、叶花が戻してくれた。



「叶花、まだそんなこと……」


「叶花ちゃん、よかったら理由、聞かせてくれないかな」



なんて言われても、叶花はまた黙った。



本当に、なんなんだ。



ちょっとずつ腹が立ってくる。



「あ、ここだよ」



叶花が説明するより先に、病室に着いた。



理香子さんはまだ眠っていた。



叶花は中には入ってこず、ドア付近で立ち尽くしていた。
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