君と見つける、恋の思い出


叶花を動かそうと足を動かした瞬間、ドアが開いた。



「うわっ」



入ってきたのは、須藤さんだった。



「びっくりしたー。カナ、なにしてんの」


「こんにちは、椿ちゃん」



会話が成立していない気がする。



「んん? 櫻木さんは疲労で倒れただけなのに、なんでみんな暗くなってんの」



……看護師の言葉とは思えないな。



たしかに大したことないんだろうが、もっといい言い方があったと思う。



「叶花ちゃんが、お母さんが倒れたのは自分のせいだと言い張るんです。でも、そう思う理由を教えてくれなくて……」



すると、須藤さんは腹を抱えて笑った。



「あんたたち、カナのなにを見てきたの。理由なんてすぐわかるでしょ」



……わかったら苦労してない。



「カナ、私が説明しようか?」



まだ出入り口を塞いでいる叶花は、首を縦に振った。



そんなに言い難いことなのか……?
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