君と見つける、恋の思い出


やばくて結構。


そのまま引いて、俺に近寄るな。



すると、またあいつのスマホが鳴った。


今度は電話らしい。



やつは立ち止まって電話に出た。



今のうちに逃げるか。



そして俺はさっさとインクと紙を買い、遠回りをして家に帰った。



「おかえり、蓮」


「……この時間にいるなんて珍しいな」



いつも夜中とかしかいないのに。



「新人の子が優秀でね。椿に、私たちに任せて、少しは帰って蓮といてやれって言われて」


「余計なお世話だな。須藤さんの中で俺はいくつなんだ」



そう返しながら、さっき買ったレシートを渡す。


母さんはそれを見て、財布からその金額を出してくれた。



「まだ十もないガキだったりしてね」



俺に金を渡した母さんは、台所に向かった。



……俺が、十もないガキか。


時の流れの感じ方の違いが現れたか。



「ところで母さん……なにしてんの」


「なにって、ご飯作ってる」



久しく母さんの手料理は食べてない。
< 39 / 240 >

この作品をシェア

pagetop