君と見つける、恋の思い出
「……母さん、料理できたっけ」
そのせいか、少し不安があった。
「失礼な。それなりよ」
……そうか。
まあ期待せず待っておこう。
「そうだ、蓮。叶花ちゃん、退院できるかもしれない」
唐突だな。
なんの前触れもなく言うなよ。
「学校は?」
退院できるとなると、次は学校に行けるかどうか。
「それはちょっと厳しいかもしれない」
やっぱり……
「なんせ、復活するとしても勉強が追いついてないでしょ?」
そっちかよ。
学校に行けるような体調ではあるんだな。
「蓮、見てあげられない? 一年からだから、あまり時間はかからないと思う」
「問題ないけど、また入院ってなれば無駄になる」
「叶花ちゃんがそんなこと考えると思う?」
……いや、まったく。
叶花はだいたいプラス思考。
ネガティブ発言は絶対にしない。
「叶花ちゃんにはもう言ってあるから。蓮が勉強見てくれるって」