君と見つける、恋の思い出
それなのに俺が驚いたのは、叶花がK高校の制服を着ていたからだ。
「蓮くん! なんで気付くの!?」
叶花は頬を膨らませている。
「それはお前が隠れるのが下手で……そうじゃなくて、なんでそれ」
「あのね、瞳ちゃんが学校に行けるって言ってくれて、お母さんに頼んで、持ってきてもらったの!」
なんて嬉しそうな顔だ。
さっきは怒ってたくせに。
本当、相変わらず表情が豊かなやつだ。
「わかったから、ベッドに戻れ」
「ちぇー。蓮くんを驚かせようと思ったのにー」
十分驚いたよ。
お前のバカ加減に。
「ねえ蓮くん、びっくりした? 私、蓮くんの先輩なのに、後輩になるの! 面白いねえ」
……楽しそうでなにより。
そして俺が聞くまでもないな。
「私もう一回入学式出るんだってー。わくわくする」
声が弾んでる。
どうしてそれを楽しみにできるのか、微塵も理解できない。