君と見つける、恋の思い出
そんなふうに言わなくても、ちゃんと聞こえている。
「ダメだよ、椿ちゃん。蓮くんは興味ない、どうでもいいことはだいたい無視するから、興味持ってもらえるように話さなきゃ」
……人聞きが悪い。
興味の有無じゃなく、面倒かそうじゃないかだ。
「椿、油売ってないで仕事してよ」
すると、母さんが歩きながら須藤さんの頭を叩いた。
須藤さんは小さく舌打ちをし、母さんの背中を追った。
「あ! 椿ちゃんに蓮くんの写真、自慢するの忘れてた!」
……しなくてもいいと思うが。
「仕事の邪魔になる。あとにしろ」
「それもそっかあ」
そして俺たちは中に入り、俺は読書の続きを、叶花はアルバム作りをした。
どれくらいその時間を過ごしたか、定かではないが、俺が半分読み終えるころ、叶花は作業を終えたらしい。
そしてそれとほぼ同時に、母さんと叶花の義母、理香子さんが入ってきた。
「瞳ちゃんと、お母さん? どうして?」