君と見つける、恋の思い出
入学式
そしてあの日から一週間が過ぎた。
叶花が退院したことで、俺が家から出る日はほとんどなかった。
それから、叶花に会うこともなかった。
「蓮、入学式って昼からよね?」
母さんは本当に叶花の入学式に来るらしく、昨日から慌ただしく準備していた。
「そうだよ。俺は午前中で終わるから、先に」
「ダメ」
……なんでだよ。
ていうか、まだ言ってないだろ。
「叶花ちゃんと写真撮らなきゃ」
あー……はいはい、そうですね。
「行ってきます」
「行ってらっしゃい」
母さんの浮かれた声を背後に、俺は家を出た。
そして学校に着き、昇降口で自分のクラス、番号を確認する。
二年一組、一番。
それを頭に入れ、三階にある教室に向かう。
この学校では、一年が一階、三年が二階、二年が三階。
なぜそうしているかは知らない。
「蓮! おはよ!」