君と見つける、恋の思い出
「叶花が入りたいと思うなら、いいんじゃないか」
俺に止める権利はないし、そのくらいの活動なら無理なくできるだろ。
「なに言ってるの。蓮くんも入るんだよ!」
お前がなに言ってるんだ。
興味がない部活に入れと?
冗談じゃない。
「ほら、蓮くん本好きでしょ? 絶対あってると思う!」
俺はまったくもって思わない。
たしかに本は好きだ。
だが、部誌の作成に貢献できるようなことはない。
それは叶花も同じだろう。
「私、部活に入ってみたいの」
「やりたいことが全部できると思ってるのか」
……しまった。
これは失言だった。
叶花はキョトンとしている。
どうしたって、さっきの言葉は取り消せない。
どうフォローするか……
「蓮くんは、やる前から諦めるの?」
……そう来たか。
まあ、そこまで深く取ってくれなくて助かりはしたが。
「私は、蓮くんと部活がしたい」
……どうせ俺に拒否権なんてないんだ。