冷たい幼なじみが好きなんです
わたしは偶然、彼の隣の席だった。
ちょっとラッキー、だなんて。
それくらいにしか思っていなかったのに──
──ガタタンッ!
「っわあ!!………いったあ……」
先生がスライドで学校の説明をしている最中に、なんとわたしが座っているパイプイスの連結部が破損してその場に大きなしりもちをついてしまった。
全員の視線が一斉にわたしに集まり、クスクスと笑われ、今すぐここから逃げ出したいくらい恥ずかしくなった。
もともとイスが傷んでいたのかもしれないけど……わたしが太っているせいかもしれないと思うと、みじめでしかなかった──
「──大丈夫?ちょっと待って」
立ち上がろうとしたそのとき、隣の彼がそう言って立ち上がり、新しいパイプイスを後ろから持ってきてくれた。
わたしは驚きながらもそのイスに座り直した。
すぐに先生の説明は再開され、なにごともなかったかのようにその時間は過ぎていった。
──一瞬で、心を奪われた。