イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした

安藤って甥っ子の蓮くんのことが、かわいくて仕方ないんだ。でも私だって負けていない。

安藤に張り合うように蓮くんの目線に合わせて屈み込むと、絵本とライオンのぬいぐるみが入った紙袋を渡した。

「蓮くん、元気でね」

「うん。あ、ほのかちゃん」

「なに?」

「だいすきだよ」

思いがけない告白の言葉とともに、蓮くんの唇が私の頬に短く触れた。

突然のキスに驚き一瞬体が固まってしまったけれど、蓮くんの好意がとてもうれしい。

「私も大好きだよ」

蓮くんの小さな体をギュッと抱きしめると同時に、不覚にも瞳から大粒の涙がこぼれ落ちてしまった。

別れが悲しくて涙が出るのか、蓮くんの告白がうれしくて涙が出るのか、自分でもよくわからない。

今日は最後まで笑顔でいると決めたのに……。

蓮くんを抱きしめていた手を放つと頬に伝う涙を指先で拭う。そんな私の頭の上にポスンとのったのは、安藤の手だった。

私を慰めてくれる安藤の手は大きくて温かい。頼りがいある安藤に甘えたい気持ちが込み上げてきたとき、彼の口からとんでもない言葉が飛び出した。

「蓮、悪いけど穂香は俺のモンだから」

独占欲の塊のような安藤の言葉を聞き、心臓がドキリと跳ね上がる。

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