イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
Stage.7

まさかのプロポーズ?


太陽の日差しを受ける朝陽の横顔を盗み見しては、ひとりニヤニヤする。さっきから頬が緩みっぱなしなのは、ハンドルを握る朝陽がカッコいいから。

車を運転する朝陽の姿を見るのも、一緒にドライブするのも、そしてふたりで一泊旅行するのも、今日が初めて。初めてづくしの日に、朝からテンションが上がりっぱなしだ。

助手席で「フフフ」と笑みをこぼせば、朝陽が「なに?」と声をあげる。

「いい天気でよかったなと思って」

フロントガラス越しに広がる真っ青な空と入道雲を見ながら答えると、朝陽が「そうだな」と同意してくれた。

北海道旅行をあきらめた私たちが、新たに決めた行き先は箱根。標高が高いため首都圏に比べると涼しいし、横浜から一時間ちょっとで行ける近さが気に入った。まず始めに向かうのは元箱根だ。

「楽しみだね」

「そうだな」

今日は箱根神社を巡り、芦ノ湖で遊覧船に乗る予定になっている。

『おいしい物を食べて温泉でゆっくりしたい』と言った私のリクエストに応えるように、朝陽は旅行のプランを立てて、宿泊先の予約とレンタカーの手配をしてくれた。

「ねえ、朝陽。疲れたら運転変わるからね」

朝陽の負担を少しでも軽くしたいという一心で、そう言ったのに……。

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