イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
同期として接した期間は長いものの、私たちがつき合い始めてからまだ三ケ月しか経っていないし、今まで結婚の話題があがったことなど一度もない。
なんの前触れもなく飛び出た、結婚のニュアンスを含んだ彼の言葉に驚き、「へ?」とマヌケな声を発すれば、両手で柵を掴んで下を向いていた朝陽がクスッと笑った。
「蓮に優しく接する穂香の姿見ていたら、コイツと結婚したいなって自然に思えたんだ。だからさ……近いうちに穂香のご両親に結婚を前提としてつき合っているって、挨拶に行きたいんだけど……。いいかな?」
湖から吹く風を受けた朝陽の少し厚めの前髪がハラリと揺れるのを見て思い出したのは、母親とのやり取り。
朝陽とつき合い始めて外泊する日も増えたし、土日もほとんど家にいない。以前とは少し違う生活を送るようになった私にいち早く気づいたのは、もちろん母親だ。
「ねえ、穂香。彼氏でもできた?」
自宅のダイニングで朝食を取る私に、母親が尋ねてくる。
母親が娘である私の恋愛が気になるのは当然だ。でもこれから身支度を整えて出社しなければならない忙しい朝に、のんびりと恋愛話をしている時間はない。