イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした

聞き慣れないチャイム音が耳に届き、パチッと目を開く。一瞬、頭が混乱したけれど、マンションで朝陽の帰りを待っていたことをすぐに思い出した。

私、寝ちゃったんだ……。

ソファに横たえていた体を起こすともう一度チャイムが鳴る。

もしかしたら、朝陽が帰ってきたのかもしれない。

勢いよくソファから立ち上がり、ドアホンのモニターを覗く。しかし、そこに映っていたのは待ち焦がれていた朝陽の姿ではなかった。

ストレートの長い黒髪に、まつげにコッテリと盛られたマスカラ、耳には大きなフープピアスを着けた派手な女性がモニターに映っている。

クリスマスイブ当日にひとり暮らしをしている朝陽のマンションに訪ねて来たこの女性は、いったい誰?

朝陽の不在中に勝手に訪問者の対応をしていいのか悩んだものの、モニターに映り込んでいる女性と朝陽の関係がどうしても気になり、ドアホンの通話ボタンを押した。

「はい」

「……安藤くん、おる?」

一瞬、間があったのは対応したのが朝陽ではなく私だったから?

ひとり暮らしをしている朝陽を訪ねて来たのに、突然女性の声が聞こえてきたら誰だって驚く。

「いません」

言葉短く質問に答え、相手の反応をモニター越しに見つめた。

< 163 / 210 >

この作品をシェア

pagetop