イジワル同期は溺愛パパ⁉ でした
会えなかった時間を埋めるように、朝陽の唇と舌が私を求める。深みを増していくくちづけに応えているうちに、体の力が徐々に抜けていくのを自覚した。
「……ぅふ」
唇の端から熱い息を吐き出せば、朝陽の唇がスッと離れる。
「あ、ごめん。つい夢中になった……」
「……ううん」
朝陽の胸にクタリと頬を寄せると、トクトクと脈打つ彼の鼓動が耳に届き、次第に気持ちが落ち着いてきた。
「穂香? 大丈夫?」
「うん。もう大丈夫」
心配げに私の顔を覗き込んでくる朝陽に微笑むと、彼の顔にも笑みが浮かぶ。
またふたりで笑い合える日が戻ってきた……。
そんな小さな幸せを感じていると、朝陽がジャケットのポケットに手を入れるのが見えた。
「そっか。それならこれ、受け取ってくれる?」
「えっ?」
朝陽がポケットから取り出したのは、白いリボンがかかった淡いブルーの箱。大きさや形を見れば、その箱の中になにが入っているのかすぐに想像できた。
「本当はクリスマスイブに渡そうと思っていたんだ。でもあのときの俺は自分に自信がなくて穂香にこれを渡すことができなかった。けど今なら……あのときから少し成長した今なら、自信を持って穂香にこれを渡せる」
朝陽は熱くそう語ると、私の手のひらに淡いブルーの箱を置いた。