野蛮な王子さま(仮)
母親からは本気で心配される始末だし

焦ってない・・

といえば嘘になる。

だって

正直焦ってる

このまま行かず後家ってのになっちゃわないだろうかって・・

1人で老後を過ごすのは

あんまりにも寂しすぎるもの・・

「試しに俺と付き合ってみるか?」

騒然とした居酒屋の中、向かい合った席に座る上司の吉良がビールジョッキ片手に笑って言った。

自分の中に入ってたアルコール成分がすーっと引いていくのを感じて、私は冷静に答えた。

「なぁに言ってんですか。」
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