からめる小指  ~愛し合う思い~
「尋って………樹と仲が良いよな?」

「えっ!樹先生と??仲良くないよぅ。
しょっちゅうケンカするよ。」

………それが仲良しだって言うの。

俺とケンカなんてしないでしょう?

俺が怒って千尋が泣くか、謝る。

たまに千尋が拗ねることもあるけど………極まれだ。

「俺とケンカなんてしないだろう?」

「そりゃ………先生とはしないよぅ~」

「どうして?」

どうせ、俺が怒ると怖いんだろう………。

「だって~
先生とゆっくり居られる時間って……ちょっとなのに……
ケンカなんてするの………勿体ないよ。
大切な時間だもん、いっぱい笑って………話して………見ていたいもん。
樹先生は大切じゃないから気にしないけどね。」

……………………えっ!

大切だから??

俺の考えたこともない答えに、口元が緩む。

「尋、おいで。」

膝に乗せて抱きしめる。

「ちょっと先生………どうしたの??」

ヤキモチ妬いてたなんて言えないから………キスでごまかす。

「ギプスが取れたらデートしような!」

「……………??………うん!!」
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