総長さんが甘やかしてくる①(※イラストあり)
「嘘つけ。心当たりあるはずだ」
まあね。
一度見た顔は忘れないよ。
ただ、思い出すのは
綺麗なお姉さんだけにしたいけどねぇ。
「ひょっとすると、あれかな。このひとの“特別親しい女の子”とボクがお近づきになったから。怒っちゃったのかなー」
女をとられた逆恨み。
そう考えて、間違いないだろう。
ココロ狭いなー。
あんたがオレよりつまんないオトコってだけの話なのに。
やだな。男の嫉妬って。
だいたい女の子なんて星の数ほどいるのに。
たったひとりにこだわる理由ないでしょ。
それとも
プライド傷つけられて頭に血がのぼっちゃったパターン?
冷静な判断ができるなら、ザコ四人でうちに乗り込んでこないだろうからさあ。
「あのなぁ、燐。いつも言ってるだろ。プライベートが派手だろうが目を瞑ってやるが、俺たちを巻き込むなって」
「好きで巻き込んだわけじゃないよー? ほら、ボクって目立つから。美しいって罪だな〜」
「テメェ……まったく反省してねぇな」
「なにイライラしてるの?」
「こっちは相手からお前のことを人質にとってるって言われて判断のつかない状態だったんだぞ」
「……へえ」
それで何回も連絡してきてたのか。
「へえ、じゃねーよ!」
「ボクのことなんて気にせずとっとと片付けちゃえばよかったのに」
「バカか。幻がナカマ見捨てるかよ」
「そういえば、幻は?」