イジワル執事と王太子は伯爵令嬢を惑わせる
「そんなことないわ! だって、私もずっと、お話したいと思っていましたもの」

「そう言ってもらえて、嬉しいわ」

 頬を染めて、ポーレットは微笑む。

「いずれわたくしたちの中から誰か一人が王太子妃となりますけれど、誰が選ばれても、ずっとわたくしとお友達でいてくださいね」

 いずれ王太子妃と妾妃という立場になるのかもしれない。けれどアディは今のところ、彼女たちのことが嫌いではなかった。むしろ、もっと話をしてみたいと思うくらいには、好感を持っていたのだ。

「私こそ、そうであればいいと願ってましたわ」

「ありがとう。では、またあとで」

 おっとりと挨拶をして、ポーレットも離宮へと戻っていった。

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