エレディンの乙女と青龍の守護者
獣のように大きな男が眉根を寄せる。

瞬間、弾かれたように巨体は外へと飛び出した。
周りにいた男たちも駆け出す。
どうしたのかと思う間もなくカティナも手を引かれ、
見るとさきほど自分を迷子だと告げた男だ。
「悪いな、今は坊主を返してやれそうにー、、
おっと、暴れるなよな。今は風が悪い。やり過ごしたほうがいい。」
そう言うなり、カティナの口を手で塞いだ。

今までそこにいた男たちはさぁっと姿が見えなくなり、部屋はしぃんと静まりかえる。
明かりもない。


ゴォー、、っと風が吹き付ける。
壁を打つような音。

カティナははっとした。
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