エレディンの乙女と青龍の守護者
「しかと心得よ!」
小さな身体がびくっと震えた。

ウェルロイドはその手をしっかりと握り離さない。

「儀式が成るまで、乙女は無印である!

無印であるということは、
黄金の鷹にも、赤の獅子にも、
乙女を奪いに来る機会を与えるということだ。

皆の者、心して警護にあたれ!

黄金の鷹であれ、赤の獅子であれ、
たとえ何者であれ、
我らの乙女を奪わせるな!

カミユ、即刻儀式の準備を整えよ!
腕の達つ者は乙女の護衛にあてる!」

「しかと、心得ましてございます。」
神官らはしっかと頷くと、胸の前で手を組み短く祈る。
「かしこまりました!」
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