エレディンの乙女と青龍の守護者

途端に、きゃぁぁと大きな声があがった。

「っ!?」
その声はすぐにウェルロイドの胸に遮られ途切れたが、確かに子供の声だったのをシロカは耳にした。
そして目にしていた。

ウェルロイドの腕に、カティナの青い裾の広がった衣装が抜け殻のように、厚みを失いばたばたと揺れているのを。

「ゥ、ウェルロイド様、その、、
カティナ様のお姿は?どうされたのですか?!」
「シロカ!」
側に駆け寄ろうとしていたシロカはびくりと肩を震わせた。
「至急カミユをここへ!」
胸を押し返す力は小さい。
だが暴れるのでウェルロイドは落とさないように
抱きかかえる。身体でカティナを覆うように、
背中越しにシロカに言う。

「ですが、カティ、、

はい、カミユですね、、
カミユはさきほど出された指示で
使いに行っているところかと、、」
「今はまだ騎士棟にいるはずだ!急げ!」
< 74 / 225 >

この作品をシェア

pagetop